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1.CD1
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曲にこめられた思い、歌詞の中のキーフレーズ、 レコーディングの裏話、 ちょっと聞いただけでは気づかない遊び心など、 ヘンリーおじさん自身による全曲解説です。 CDを検討中の方は必見! すでにお持ちの方はぜひ、聞きながらお楽しみくださいね! |
M1: I have a …Song
「have」と「a」をつなげて、「ハヴァ」と発音するのがポイントです。単語をつなげて発音するのは、英語ならではの特徴。それを身につけるのに、ぴったりの歌ですね。
歌の最後は、「Du-du-du-du, Yeah!」 と、かっこよく決めてますが、これは歌の先生や、周囲の大人から指導されて歌ったのではないのです。子どもたちが自然に、アドリブで入れました。まるでミュージカルのエンディングのようで、最高ですね!
M2:Do You Have a Pet?
日本人がひっかかりやすい疑問文ですね。答えが「No」のときは、質問文が否定形でも「No」と答えます。答え方を考えるのではなく、自然に言えるようになると、スマートですよ。
お気づきだと思いますが、この歌は、かけあいになっています。兄弟などで、「Do you have a dog?」といった質問に答える形式になっているのです。
M3:Big and Small
「Big, big apple」という歌いだしの部分は、アメリカ生まれの中国人の女の子が歌っています。(ジャケット写真前列左から3人目)よく聞くと、他の子とは少し違う東洋人の声をしていますね。私はインターナショナルスクール出身ですから、いろいろな国の子どもたちの声を聞きわけることに興味があります。それぞれ違った魅力があるのです。
「Bright hot sunshine.」の歌詞のところで、男の子が「hot」と大げさな声を出して歌っていますね。感情を込めて歌っていて、自然とそうなったのです。途中で笑い声が入ってますが、これなども、自然に出たのを残してあります。
M4:Count Your Fingers
子どもの歌でアカペラ(伴奏なし、歌のみ)なんて、ほとんどないと思いますよ。
手と足の指を使って、1から10までの数え歌ですから、お風呂の中などでも使えますね。
M5:Dentist I Don't Like
歯を削る嫌な音がしますね。この音が歌に合わせて、きっちりと入っていることに注目してください。編集の成果です。「Say Ah (口を開けて、アーと言って)」 と、歯医者さんのせりふを言っているのは、録音技術者。苦しそうに「Ahh〜」と言っている声は、実はヘンリーおじさんなのです。録音したのは、この歌の編集を何時間も続けて、夜も11時を過ぎ、疲れているときでした。でも、どうしてもこのかけあいを追加したくて、数回の練習の後に録音したのです。終わってプレイバックをしたら、おかしくておかしくて、疲れを忘れて、2人で涙を流して笑ってしまいました。
原曲は、『月』。歌いだしの「出た出た」と「Dentist, dentist」がぴったり合っているでしょう?!「デ」で始まる単語はなかなかみつからなくて、「dentist」が浮かんだときは「これだ!」と思いましたね。
アメリカの子どもたちも、この歌に大喜びしました。私の長男も(彼は本当の歯医者ですので)子どもの患者さんが来ると歌ってあげるそうですよ。
M6:Round and Round
小さい頃に、「ぐるぐる回ると目が回る」って遊んだ経験は、誰にでもありますよね。その遊びを歌にしてみました。Dizzy は、「目が回る」という意味です。右にぐるぐる、左にぐるぐる、そして結果として、「Dizzy now (今は目が回る)」と言いながら、倒れそうになる雰囲気が出てますでしょうか?
ニューヨークにいる作曲家の方に、ほめられた歌です。本職の耳で聴くと、このような歌を書くのは難しいのだとか。ヘンリーおじさんは、気楽な気持ちで歌を書くので、技術的なことなど無関心。だから、CDの解説にも書いてあるように、「子どもが自分で歌を書けたとしたら、ヘンリーおじさんの歌になるであろう」…これには納得できますね。子どもの視点から書かれた歌ばかりなのです。
M7:Touch Your Nose
声の素質を活かして、女の子のシンガー(ジャケット写真前列左端)が選ばれました。
『Head,Shoulders,Knees and Toes』は有名な歌ですが、身体の部分を歌で覚えるのは、楽しくていいですね。CD2には、この歌の続編が収録されています。
M8:Phonic ABC
「Goldfish」と「Hotdog」の部分を歌っている男の子の声が、私の長男の幼い頃の声と似ているのです。ワイフと聞き返しても、驚くほど似ています。
このCDで歌ってくれている子どもたちは、3歳から8歳ぐらいが中心ですが、ひとりだけ高校生がいます。Phonic ABCの先生役の女性で、高校3年生。CDのジャケット写真では、右端に写ってます。歌が上手だし、小さい子どもたちには本当の先生のように優しい態度をとってくれて、録音のときは本当に助かりました。
自閉症で2年間、一言もしゃべらなかった子どもが、この歌を聴いていたら、「Apple a,a,a」のところで「アッアッアッ」だけ言って、親御さんや先生方をびっくりさせたそうです。歌の力の大きさを感じましたね。
M9:I'm Sorry
子どもには、Thank you と同じくらいしっかり教えなければならないのが「ごめんなさい」だと信じます。ちゃんと謝れない子どもは、大人になってから必ず苦労をします。
この歌を歌ってくれた男の子のJason君ですが(黄色いシャツを着て、ジャケット写真に写っています)、ボストン交響楽団と共演をした実力のある歌手でもあります。この歌を録音したときは、今にも泣き出しそうな表情で歌っていて、見ていた大人たちは圧倒されました。
演奏に参加してくれたプロのベースマンは、この歌がいちばん好きだと言ってくれたんですよ。
M10:January to December
ポール・アンカのヒット曲『Diana』を連想させるロックナンバーとなっています。
よく聴くと、「Ya, ya, ya, ya, ya…」の中に、大人の男性の声が混じっています。これは、ヘンリーおじさんの声。子どもたちの歌声をヘッドフォーンで聴きながら、自然と一緒に歌っていたようなのです。
M11:Underneath the Big Old Chestnut Tree
日本でもおなじみの『大きな栗の木の下で』の歌です。1番は男の子が歌っています。もちろん彼は上手なのですが、2番になると、たいていのみなさんは「あれっ」と感じます。声といい、フレーズのとり方といい、子どもとは思えない歌唱力に圧倒されてしまうのですね。
歌っているのはChiaraちゃん、当時は7歳か、そのくらいでした。イタリーとイランのハーフだと思います。歌の先生によると、彼女は天才だそうです。CD2の『I Love You,Daddy』も彼女ですよ。
彼女の歌声に魅了される大人が続出しています。どういうわけか、中年の男性にもうけるのです。魅力的というか、魅惑的というか……とにかくすごいのですね。この歌を何十回もくり返し聴く人を知っています。50歳の外科医の先生ですが、手術のときも、この歌を流しているのだとか。Chiaraがいつか世界的な歌手になることを期待しております。
M12:Teach Me Golf
原曲は世界的に有名ですが、ヘンリーおじさんはこの歌を、「タイガーウッズにゴルフを教えてほしい」という歌にしてしまいました。ゴルフをやる子どもは、増えてますからね。
パットをして、ゴルフボールがホールにカランと入る音は、子どもにはたまらない魅力があると思います。
M13:What Is This?
ヘンリーおじさんのギターの弾き語りになっています。ギターだけというのも、いいものでしょう?あいづちを入れてくれている女の子は3歳です。声とせりふ回しのうまさから選ばれました。かわいいですね。
録音したのを聴いていたら、録音技術者が雑音を指摘するんです。私には全然聞こえないんですけどね。よくよく考えたら、足で拍子をとっている音だったんです。結局その音は消しました。そんな小さな音も聞き逃さない、耳のいい人でしたね。
M14:What Color Do You Like?
12色の呼び方を歌で覚える。こんな歌は、他にはないと思います。
ラテン調の「What color do you like 〜」のコーラスの部分も、調子がよくて楽しいでしょう?録音をした子どもたちの間では人気ナンバーワンの歌で、スタジオを出た後でも歌ってましたね。
歌を作ったときは、ギターだけでもっと軽快な感じでした。ちゃんとしたアレンジのカラオケも、もちろん最高ですが、ギターだけの素朴なサウンドも、捨てがたい味があるのですね。
M15:Hello Ha!
日本語の「ハ行」は「ハヒフヘホ」ですが、英語の母音の基本(a,e,i,o,u)に直すと、「ハヘヒホフ」となります。この歌は、その基本を音で教えるために作られました。
やまびこで遊んだ経験は、都会の子どもにはないかもしれませんが、この歌を通して、少しでも味わってもらえればと思います。
この歌を録音するときは大変でした。けっこう高度な技術が要求されるのです。ですので、43名の歌手の中から選ばれた女の子2人に練習してもらって、録音をしました。ハーモニーもきれいですね!
M16:Inchi Centi
「インチ」は、約2.54センチの長さです。でも、この歌は、その「inch」と「centimeter」のお話ではありません。
実は「Inchi」と「Centi」は、ロボットの名前なのです。バッテリーで動くロボットで、変な動作で前進します。子どもたちにロボットのまねをしながら遊んでほしいと願って、書いてみました。
ところで、「centimeter」の「centi」は、英語では「センチ」と発音しません。「センティミーター」という感じですね。録音のときに立ち会った英語の先生から、「センティ」と発音をするのか?と質問されました。でも、ロボットの名前だから、「センチ」で通すこととなりました。「Inchi」と「Centi」のロボットのキャラクターもできているのですよ。見たいですか?
M17:One Plus One Is Two
不思議かもしれませんが、今までたし算の歌ってなかったらしいのです。この歌では、たし算とひき算の言い方が紹介されています。
日本では「One plus one equal two.」と教えるようですが、実際は「One plus one is two.」のほうがポピュラーです。簡単ですからね。
M18:I Love You, Mommy
「ママ、愛してるよ」と、息子や娘に言われたい!という声が多く寄せられました。そこで、この歌が誕生したのです。歌で言ってもらうのもいいですね。
この歌を歌っているのは、『I'm Sorry』と同じ、Jason君ですよ。
M19:Ten Divided by Two is Five
ヘンリーおじさんが特に好きな曲のひとつ。実は、昔聞いたある歌に影響を受けています。16歳くらいの頃から、自分の服には自分でアイロンをかけるようになったのですが、その頃、NHKラジオで毎日流れていた歌が『夏の思い出』です。「♪夏が来れば思い出す〜」と「♪Ten divided by two is five 〜」……似ているでしょう?これは意識したわけではなくて、後になって「何かに似てるなあ」と考えてみたら、この歌だったのです。
ちょっとしたお遊びも入れています。「♪Ten divided by two is five〜」と歌った後に「チーン」とベルの音が入ってるんです。これは「正解!」の意味。機械じゃなくて、本物のベルの音ですよ。いろんなサイズのベルを全部鳴らしてみて、決めました。
#17『One plus one is two』でたし算とひき算の言い方を学び、この歌でわり算の言い方が覚えられます。残りはかけ算だけということになりますが、CD2で実現させました。かけ算の歌は、ロックになっています。
M20:Raindrops Falling On My Head
「ドレミ」の3音だけでできています。
この歌のアレンジはいいですね。冷水ひとみさんの作です。雨だれの音を感じさせるアレンジが、なんともいえません。
M21:Please Don't Go
ヘンリーおじさんが特に好きな歌のひとつです。この1曲のためにジャズ専門スタジオを借りて、ジャズバンドを使って録音しました。ミュージシャンも「いい曲だ」と気に入ってくれたから、演奏ものっていますね。これは歌と演奏の同時録音。ライブと同じ、一発録りなんです。
ヘンリーおじさんのCDには、ひとつ特徴があります。それは、最後の歌(英語ではthe closing song と言います)は、必ず大人のための歌となっていることです。これは、CDを買ってくれるのは大人ですから、「せめて1曲ぐらいは、子ども用でないエンターテーメントを提供しよう」というサービス精神なのですね。
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